全世界株 vs 米国株、結局どちらが良いの?

投資

はじめに

過去の記事の中で、初心者が購入すべきインデックスファンドとして、eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)、通称オルカンをお勧めしました。
全世界株式の中の1つですね。

ただし、米国株式、中でもeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は非常に人気のインデックスファンドの一つです。

投資初心者が必ず悩むのが、この全世界株式と米国株式のどちらに投資すればよいか、ということです。
なぜならば、経済評論家や投資系YouTuber、投資系ブロガーなど、人によって分かれるからです。
どちらでも良い、という人もいますね。

そこで、本記事ではそれぞれの主張を紹介したうえで、1つの結論を示したいと思います。

実績を確認する

全世界株式派と米国株式派の主張を見る前に、まずはそれぞれの実績を確認します。

下の図によると、2011年10月末を100として指数化した場合、その10年後には全世界株式は350、S&P500は536になっています。
共に素晴らしい成績ですが、米国株式の方が全世界株式を上回っています。

楽天証券「全世界株vs米国株~S&P500指数に死角はあるか?~」

これを見ると、投資対象として米国株式の方が良いのでは?と思われるかもしれません。
ですが、これはあくまでも過去の成績に過ぎません。

それでは、私がそれぞれの主張を見聞きした、よくあるそれぞれの主張をみていきます。

米国株式派の主張

米国株式派のよくある主張は以下の通りです。

  • 新興国の成長も米国市場で取り込める
  • 全世界株式には成長を見込めない国も含んでいる
  • 全世界株に投資すると余計なリスクを負わないといけない

新興国の成長も米国市場で取り込める

これが一番よく聞く主張ですね。

アメリカの大企業はほとんどがグローバル企業です。
わざわざ新興国に投資をしなくても、米国株式だけでその成長を取り込める、というのが米国株式派の主張です。

実際、S&P500を構成する企業の海外売上高の割合は40%を超えます。
つまり、新興国が成長すると米国市場もその恩恵を受けることができる、ということです。

全世界株式には成長を見込めない国も含んでいる

アメリカは世界最大の経済大国です。
なのになぜわざわざ低成長の国を含む全世界株式を買うのか、というのが米国株式派の主張です。
GDPベースでみたとき、現時点ではアメリカが1位です。

また、皆さんもよくご存知の通り、イノベーションが起こるのはいつもアメリカからです。
アップルやアマゾンなど、世界的なムーブメントを起こす企業は全てアメリカですよね。

人口でみても、アメリカはこれからも人口が増えていく数少ない先進国の一つです。

全世界株式に投資すると余計なリスクを負わないといけない

米国以外の株式に投資をするということは、余計なリスクを背負うということになります。
新興国に投資をするということは、そういった国々の通貨リスクを背負うということになります。
価値の安定したアメリカドルだけを持っておいたらいいのではないか、という主張になります。

全世界株式派の主張

全世界株式派の主張は、以下の通りです。

  • アメリカ一強の時代が永続するとは限らない

基本的には、これ一本です。

過去の歴史を振り返っても、特定の一つの国が栄え続けたことはありません。
以下の図は、世界の時価総額における各国の割合を示します。
1900年時点では、世界の時価総額に占めるアメリカの割は15%ほどしかなく、イギリスが最大の24%を占めていました。
1990年頃になると、バブルの日本がアメリカを超え1位になり、1995年頃以降はアメリカが返り咲いています。
今は、中国がアメリカに差し迫っており、いつ追い越すか分からない状況です。

このように、世界のパワーバランスは時と共に変化します。

この主張に対し、米国株式派は、
「自分が生きている間はアメリカ一強でしょ」
と言います。
それはそれで良いと思います。結局何を信じるか、で決めれば良いと思っています。

ただし、そんなことを言ってしまったら、この記事を書いた意味がありません。
ちょっと調べたら他でも言われていることをまとめただけですからね。

冒頭でも記した通り、私は全世界株式派です。
その理由を記します。

筆者が全世界株式を勧める理由

それは、「現代ポートフォリオ理論でそう言っているから」です。
過去記事でも同じことを記載しています。

改めて簡単に説明します。
現代ポートフォリオ理論とは、1990年にノーベル経済学賞を受賞した理論です。
この理論を簡単に述べると、「時価総額加重平均で市場全体に分散投資せよ」になります。
「リスク資産と無リスク資産の割合を調整せよ」とも言っていますが、これはポートフォリオの設定の仕方の話なので、ここでは置いておきます。

全世界株式は世界全体の市場に投資しています。米国株式は、もちろんアメリカだけですよね。
上で記載したとおり、米国株式でも新興国の成長を取り込めますが、丸まる取り込めるわけではありません。

ノーベル経済学賞を取ったような論理的に説明されたすごい理論がそう言っているんだから、それを信じる!ということです。

まとめ

私自身、全世界株式と米国株式のどちらが良いか、長らく悩みました。
将来のことは分からないんだからどっちでもいい、ということは分かっていても、いざ積立設定をする時にはどちらかを選ばないといけないわけで。
最初の頃は、両方に投資をする、というよく分からないこともやっていました。

現代ポートフォリオ理論を理論を知り、これを信じて全世界株式に落ち着きました。

これに対してさらに反論を持ち合わせている米国株式派もいると思います。
ただ、基本的にはどちらでもいいので、深く考えなくてよいでしょう。
こんなことを言ったら元も子もないですが。

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