これで解決!新NISAの出口戦略

投資

はじめに

2024年より新NISA制度が開始され、多くの方が投資を始められたことでしょう。特に、インデックスファンドの積立投資を選択された方が多いのではないでしょうか。

よく言われるのが、「高配当個別株投資は入り口が難しいが出口は簡単、インデックスファンドは入り口が簡単だが出口が難しい」という点です。

個別株の場合、銘柄選定や財務分析などの手間はありますが、一度購入すれば配当金が定期的に入ってきます。
一方、インデックスファンドは分散投資が容易で、銘柄の入れ替えも自動で行われますが、配当金が再投資されるため、現金化するには売却が必要です。


例えば、子どもの教育資金や老後資金のために積立投資を行っている場合、どのタイミングでどのように売却するかを考える必要があります。つまり、出口戦略が重要になるのです。

本記事では、インデックスファンドの積立投資における最適な出口戦略について解説します。なお、「4%ルール」をご存知の方は、既にご理解いただいている内容かもしれません。

「売却タイミングを明確に決める」戦略が危険な理由

例えば、15年後の子どもの大学費用のために積立投資を行っているとします。順調に含み益が増えていたとしても、14年目に市場が暴落し、資産が半減する可能性があります。その場合、予定していた教育資金が不足し、計画が崩れるリスクがあります。

NISAを始めた多くの方は、資産運用のシミュレーションを見たことがあるでしょう。例えば、毎月5万円を利回り7%で30年間運用すれば、約6,100万円になるというものです。これは、S&P500やオルカンなどのインデックスファンドの過去実績と照らし合わせても、現実的な数字です。
ですが、こういうものを見ると、特に初心者だと勝手に右肩上がりになるものだと思い込んでしまいがちです。

確かに、長い目でみたら、右肩上がりです。
以下の図は、eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)の、2019年1月から2024年4月までの基準価額の推移です。
この期間の騰落率は170%近くにもなります。

三菱UFJアセットマネジメントより引用

それでは、短期的に見てみます。
以下の図は、2020年2月21日から2020年11月12日の約9月間を切り取ったものです。
コロナショックの時ですね。
2月21日から3月24日の期間の騰落率は約-34%になります。
頑張って2,000万円を貯めたと思ったら、わずか1か月ちょっとで1,320万円になってしまいます。


三菱UFJアセットマネジメントより引用

グラフの右端でやっと直近のピーク時の基準価額に戻しています。
ですが、売却タイミングを決めていた場合、こんなに待てるでしょうか。
コロナショックの時はこれで済みましたが、リーマンショック級の暴落が来たらどうでしょうか。
もっと下がるし、もっと回復に時間がかかります。

暴落はいつ来るか分かりません。
これが、私が「売却タイミングを明確に決める」戦略が危険だと思う理由です。

最適な出口戦略とは?

最適な出口戦略は、「少しずつ資産を取り崩していく」方法です。この戦略は、暴落時のダメージを軽減することを目的としています。例えば、60歳以降の生活資金として積立投資を行っている場合、50歳頃から少しずつ資産を取り崩し、現金化しておくことで、暴落時の影響を抑えることができます。

この取り崩し戦略において参考になるのが、「4%ルール」です。これは、1994年にWilliam Bengen氏が提唱し、1998年にアメリカのトリニティ大学の教授研究チームが発表した論文に基づく考え方です。これらの研究によると、毎年資産の4%を取り崩しても、30年以上資産が尽きる確率は極めて低いとされています。

この4%ルールは、アメリカの平均的な株価成長率7%からインフレ率3%を差し引いて計算されたものです。つまり、投資による利益の範囲内で生活を続ければ、資産を減らすことなく生活ができるという考え方です。

日本では、株価の成長率やインフレ率が異なるため、4%ルールをそのまま適用するのは難しいかもしれません。その場合は、3%ルールに変更するなど、柔軟に対応することが重要です。

また、定額で資産を取り崩す方法もありますが、長期間市場が低迷した場合、資産が底を尽きるリスクがあります。そのため、取り崩し率を低く設定し、資産の減少を抑えることが望ましいでしょう。

まとめ

本記事では、インデックスファンドの積立投資における出口戦略として、「売却タイミングを明確に決める」戦略の危険性と、「少しずつ資産を取り崩していく」戦略の有効性について解説しました。

市場の変動リスクを考慮し、柔軟な取り崩し戦略を採用することで、資産を守りながら安定した生活を送ることが可能になります。ぜひ、ご自身のライフプランに合わせた出口戦略を検討してみてください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました