賃貸 vs マイホーム、お金を貯めるにはどちらが良いかを解説!

住宅

はじめに

賃貸かマイホーム、人生の中で多くの人が抱える悩みのタネの一つでしょう。

私自身、30を迎えるにあたって、真剣にマイホームの購入を考えた時期がありました。
丸1年半ほどかけ、徹底的に情報を集め、色んな人の話を聞きました。

そして、到達した答えは、「賃貸」でした。
これは、私の場合です。
各人、家に対して何を求めるかによって答えは変わってきます。

ここでは、経済的合理性の観点ではどちらの方が良いかについて、解説したいと思います。
「マイホームを買うことが夢なんだ!」という方は、スルーしていただいて構いません。

マイホームのリスク

マイホームには、たくさんのリスクが付きまといます。
それらについて、解説していきます。

資産価値が下がり続ける

日本の人口は近年減少局面にあり、2070年には9,000万人を割り込むと予想されています。
人口が減ると、当然物件の需要は減ります。
需要が上がるとモノの値段は上がり、需要が下がるとモノの値段が下がるという基本原則に従うとすると、とんどの物件の今後の資産価値の上昇は見込めません。

不動産屋は、
「住宅ローンを払い終えると資産になりますよ。」
と言います。キラーワードですね。

ただでさえ、物件は購入した瞬間にその資産価値は一気に下がります。購入する際にはがっぽりと手数料が上乗せされているので、当たり前ですよね。
更に、ローンを払い終えた頃には多くの場合20年も30年も時間が経っているわけですので、経年劣化などで資産価値が下がっていることもご理解いただけると思います。
そもそもローン返済時には追加で金利も払っています。

以上を踏まえたとき、果たして住宅ローンを払い終える頃にも思ったような資産価値を持ち続けてくれているでしょうか。
絶対に価値が上がる物件が買えるには、この項目はクリアですね。

※出典:総務省「国勢調査」
    国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(令和5年推計)」

維持費がかかり続ける

資産価値としては下がっても、家賃を払い続けるよりはトータルで考えたときにお得だ、と言う方がいるかと思います。
物件によっては、そうかもしれません。
ただ、忘れてはいけないのは、マイホームに住む場合でも、維持費がかかり続けることです。
管理費(マンションの場合)や修繕費、固定資産税などですね。
賃貸の場合にかかる共益費などは、大した額にはなりません。

引越しが難しくなる

新居に入ってから、以下の事態に直面したことがある方、以下のようなことを聞いたことがある方はいるのではないでしょうか。

  • 近所に変な人がいることを知った
  • 立地の不便さに気付いた
  • 周囲に嫌な施設が立つことになった

このようなときに、賃貸であれば最悪引越すことで対応可能です。
ただし、マイホームの場合は既に解説したように、簡単に出ていくことはできません。

災害リスクがある

マイホームには、災害リスクを伴います。
火災や地震などが該当します。
そのために、火災保険や地震保険に入るわけですね。
ただし、地震保険は建物の再建を目的としていません。生活の再建を目的としています。

地震保険は、地震等による被災者の生活の安定に寄与することを目的として、民間保険会社が負う地震保険責任の一定額以上の巨額な地震損害を政府が再保険することにより成り立っています。

財務省:「地震保険制度の概要」

建物が壊れた場合、それを建て直すほどの保険金は出ないということです。

賃貸の場合は、そもそも不要です。
自分の家ではないので、どうなろうと関係ありません。
入るとしたら家財補償になると思いますが、これについても、正直不要だと考えています。

ローンの返済リスクと金利変動リスクがある

住宅ローンを組んでマイホームを購入する場合、ローンを返済できなくなるリスクがあります。
会社をクビになって、あるいは病気になって収入がなくなる、などがその原因になり得ます。
賃貸の場合だと、そういった場合でも家賃の低い物件に引っ越す、一時的に実家に住まわせてもらう、など対応方法はいくつか考えられますが、ローンの返済は、多くの場合待ってくれません。
ローンを返済するために別のところでお金を借りる、など地獄のスパイラルに陥り、自己破産する人も一定数いるようです。

ローンに関しては、金利変動リスクも持ち合わせています。
今は低金利ですが、今後どうなるか分かりません。変動金利の場合、数十年前そうだったように、高金利に戻り可能性だってあります。
その場合、返済額が一気に跳ね上がります。

家族の構成変化に対応できない

特に近年は生涯1人で暮らすことを決める方は増えましたが、それでも多くの方にとって人生の中で家族構成は変化していくことでしょう。
例えば、1人から結婚して2人に、子どもが産まれて3人に、子どもが独立して2人に、そしてパートナーと死別して1人に、などですね。

3人の時期に家を購入した場合、2人になったら場所を持て余すことでしょうか。
その場合、その期間の持て余した無駄なスペースのための費用を住宅購入資金の一部として払ってしまったということになります。

多くの人にとって、同じ家族構成で住み続けることは少ないです。
賃貸の場合は引越しで対応できるでしょう。

欠陥住宅であるリスクがある

手抜き工事や耐震偽装、欠陥マンション偽装事件など、聞いたことがあると思います。
大手の施工会社でもこのような事件は起こっていますよね。
そのような業者に当たらないかどうかを見極めるのは、至難の業です。
対象物件だと判明した場合、こちらについても賃貸だと引越すだけで済むでしょう。

マイホーム派の主張

上記がマイホームが抱えるリスクになります。
それでは、マイホーム派が主張するマイホームのメリットを記します。

団体信用生命保険がある

マイホーム派の人が出す手札としてよく上がるのが、団体信用生命保険です。
団体信用生命保険は、住宅ローンの契約者が亡くなった場合か高度障害状態になった場合に、残りの住宅ローンがチャラになるという生命保険です。
基本的に住宅ローンを契約する時には団体信用生命保険の加入が必須となっています。
賃貸の場合だと、高度障害状態になっても誰も払ってくれません。
これがマイホーム派の強力なメリットだというわけです。

ただ、よく考えてみてください。
これって、生命保険に入って、保険金をローン返済に充てているのと変わらないですよね。
ローン返済額に保険分が上乗せして支払っているだけです。

ここで、「ローン返済額に保険分が上乗せして支払っているだけ」に対して反論をする方がいることでしょう。
一般団信は、保険料を別途払う必要がないことで知られています。銀行が払ってくれるものとされています。
だとすると、上の記載は誤っていると思いますよね。

ですが、一般団信は、実質無料ではありません
なぜならば、銀行は保険負担量を加味して金利を決めているからです。
無料の皮を被っているだけで、実際は保険料を取られている、ということです。

とはいえ、民間の生命保険料よりは割安です。
企業等でよくある、団体で加入すると安くなる仕組みと同じですね。
ですが、だからマイホームを有利だと、ということにはなりませんよね。

払い終えたら資産になる

マイホーム派が何より声を大にして主張するのが、「マイホーム」は資産になる。
というものです。
確かに、バランスシート上では持ち家は左側の資産に該当します。
ですが、住宅ローンという右上の負債を抱えてきたわけです。
純資産は、その差額です。
居住関係に絞った場合、純資産がプラスになることは、ほぼありません。
その理由は、上記の「マイホームのリスク」の「資産価値が下がり続ける」で説明済みです。

いや、賃貸だと出ていく一方じゃないか!という意見は、その通りです。
居住年数など総合的に見たときに、金銭的にどちらが有利になるかはまちまちです。
ですが、上で記載したようなリスクを全て背負ってまでして有利になるか分からないマイホームを購入するのは、割に合わないと私は感じてしまいます。

まとめ

本記事では、いかにマイホームの場合にリスクを伴うかについて解説しました。
私自身、以上の理由で賃貸を選んでいます。

ですが、冒頭に記載したように、以上のリスクを引き受けたうえで、マイホームを持ちたいと思った方は、そうしていただければ良いと思います。
人の夢を否定するつもりはありません。
1つの指標としてとらえていただければと思います。

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